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頭痛と漢方薬

目次

  • 長年の頭痛で悩んでいる方
  • 鎮痛薬の服用をやめていきたい方
  • 漢方薬で頭痛を治したい方

頭痛と漢方薬

緊急を要する頭痛以外で一般的に見られる頭痛は次の3つのタイプです。

緊張型頭痛

にぶい痛みが特徴で、一般的には我慢できないほどの症状ではありません。症状が反復性におこる場合と、持続的に毎日のように続く場合があります。

症状 -頭を締め付けられるような痛み。ダラダラと長時間続くことが多い。
原因 -頭や首、肩の筋肉のこり。身体的・精神的ストレス。
対処法 -首すじや頭周りの筋肉の緊張をほぐすことがまず第一。
首や肩を温めると血行がよくなるので効果的。休憩する、ストレッチするなど。
筋肉のこりが強くてつらい時には我慢せずに市販の痛み止めを飲むと効果的。

緊張型頭痛によい漢方薬

葛根湯(かっこんとう

寒気のある風邪の初期によく使用される漢方薬ですが、頭痛や肩こりの改善にも役立ちます。肩と首筋がこっている人の頭痛によいです。

頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)・川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)

寒気のある頭痛・風邪によい漢方薬ですが、生理前や生理中の頭痛など女性ホルモンの乱れによる頭痛にも効果があります。

冠元顆粒(かんげんかりゅう)

心臓血管の不調を改善するために開発された漢方薬を改良した漢方薬で、全身の血管の状態や血液循環を整える働きにより高血圧傾向の頭痛、肩こり、めまいの改善に役立ちます。頭痛だけでなく体全体の血管や血液循環を改善したい人にお勧めです。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)

精神的にイライラしやすい、特に生理前にイライラ、胸の張りが強い、顔がのぼせやすい、などの症状のある人に、お勧めです。頭痛に即効性がない場合でも続けて服用するうちに頭痛の頻度が減っていきます。生理前のイライラなど月経前症候群によく使用されます。

片頭痛

こめかみの辺りがズッキンズッキンと痛んだり、吐き気を伴うことがある、特に女性に多い頭痛。脳の血管が拡張し、周りの神経を刺激するために起こると考えられている。片頭痛と言っても 、片側だけでなく両側が痛むこともある。
症状- ズッキンズッキンと脈打つように痛むことが多い。人によってドクドク、ガンガンとも表現します。同時に吐き気も起こることがある。頭痛の前に目がチカチカする、視野がぼやけるなどの前兆がみられることがある。
緊張がゆるんで、「ほっと」した時に起こりやすい頭痛で「週末頭痛」とも言われる。
原因 -遺伝子が関係していると考えられているが詳細不明。

誘因としてストレスからの解放、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下(特に生理の前など)。

天候(気圧の変化や、季節の変わり目、快晴、急激な気温差のある日)、寝すぎ、寝不足、騒音、光、匂い、人ごみなど

も。
対処法 とにかく早めに薬を飲んで休養(安静)にするのがよい。

おでこを冷やす、こめかみを押さえる。(楽になるようであれば行う。)

片頭痛によい漢方薬

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

水分代謝の不調により起こる頭痛、めまい、吐き気などを改善する漢方薬です。雨の降る前や雨の日に体調が悪くなりやすく、舌の苔が白く厚くついてる場合が多いです。乗り物酔いが起きやすい人の頭痛に良いです。

五苓散(ごれいさん)

水分代謝の不調により起こる頭痛、嘔吐などに使用します。口の渇きや小便がでにくい、むくむ、などの症状を伴う場合により効果的です。

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

胃に冷えがあり、激しい頭痛、嘔吐、しゃっくりなどを起こす状態を改善します。よだれや唾が口中にわき上がる頭痛や嘔吐に対して、胃を温めながら改善する働きがあります。

桂枝人参湯(けいしにんじんとう)

胃腸が弱く、冷え性の人の頭痛や動悸に使用します。

釣藤散(ちょうとうさん)

頭部の熱感を冷やして痛みをとる漢方薬で、頭痛、のぼせ、めまい、高血圧、耳鳴りなどに適しています、

柴胡湯(しょうさいことう) 

ストレスによるイライラ、怒りっぽい、憂うつ感、口の苦み、胃腸の不調、脇腹が張って苦しい、などの症状がある頭痛に使用します。

頭痛が改善しづらい時には、清上けん痛湯(せいじょうけんつうとう)を併用します。

群発頭痛

片側の目の奥の激しい痛みが特徴。真夜中眠っている時などに痛みで目がさめることが多く、いったん起こると群発地震のように1~2ヵ月間、ほぼ毎日起こることから名づけられている。20~40代男性に多く見られる。
症状- 片目の奥を中心に激しく痛む。涙や鼻水が出る。痛みは30分~2時間ほど続く。
原因- 内頸動脈(目の後ろにある血管)が拡張するためと言われているが、よくわかっていない。
対処法 群発期(毎日痛みが起こる時期)にはアルコールは頭痛を誘発するため禁酒しよう。

昼寝や長湯も頭痛を誘発することがあるので注意する群発性頭痛に良い漢方薬

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

胃に冷えがあり、激しい頭痛、嘔吐、しゃっくりなどを起こす状態を改善します。よだれや唾が口中にわき上がる頭痛や嘔吐に対して、胃を温めながら改善する働きがあります。

明朗飲(めいろういん)

めまい、ふらつき、動悸、目の充血、なみだ目などがある時の頭痛に使用します。

清上けん痛湯(せいじょうけんつうとう)

目がチカチカする、目の周囲から奥の方が痛む、目から来る頭痛にはよく効きます。頭痛以外に、首から上の痛み(三叉神経痛、眼痛、歯痛など)にも効果があります。

寒冷に誘発される顔面痛み、ヘルペス後の後遺症として起きる三叉神経痛や上顎洞(副鼻腔)などに出来る腫瘍による痛みにも使用できます。

まとめ

頭痛の改善のためには、日常生活の見直しも大切です。タバコやアルコールの摂り過ぎ、寝不足、ストレスなどに気をつけましょう。

コーヒーをしばらく止めると頭痛の頻度が減る方もいます。

コーヒーをたくさん飲んでいる方は2~4週間止めてみると良いです。

あとは、漢方薬を服用しながら体調を整えていくことで、頭痛が起きにくく、痛みの程度も軽くなっていきます。