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男性不妊症と漢方治療について

この記事はこんなお悩みの方におすすめです
  • 男性不妊でお悩みの方
  • 男性不妊の漢方薬を服用したい方
  • 長い間不妊治療をしている方

目次

男性不妊症と漢方薬

昔は、子供が授からないと女性の方にばかり問題があると思われていましたが、実際は、男性側の問題や両方に問題があるケースが多いです。

○男性の主な不妊原因 詳しい説明はこちら

A 性交障害  勃起しない、勃起しても射精できない
B 造精機能障害 元気な精子をたくさん作ることができない
C 精路通過障害 精子の輸送経路に異常があり、精子が精液に入らない
D 副性器機能障害(精嚢炎、前立腺炎など)

○体質・体調による男性不妊症の6つのタイプ

女性不妊症にもその方の体質や体調によって適する漢方薬が違うように、男性不妊症に対する漢方治療もタイプによって大きく4つに分けることができます。

1.潤い不足・ほてり

腎陰虚(じんいんきょ)-腎の陰液不足により正常な造精機能に支障がある状態

主な症状-精液検査(精液量、精子数、運動率、正常形態精子など)の不良

どちらかというと暑がり(寒がりではない)、手足がほてりやすい、足腰がだるい、小便が近い、頻尿または逆に出にくい、口が渇きやすい、時に寝汗をかく、めまい、耳鳴り、早漏など。舌質 紅、舌苔 薄い、または無い、舌に裂紋(ひびわれ)が見られることもある。

いわゆる強精剤(温補腎陽の海馬補腎丸・至宝三鞭丸・マカ)、バイアグラの使用過多や過剰の性生活、ストレス、睡眠不足などの生活習慣でで腎陰虚になりやすいです。香辛料、コーヒー、度数の強いアルコールはなるべく控えめにしましょう。

代表処方-瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)+二至丹(にしたん)など

2.冷え・足腰のだるさ・頻尿

腎陽虚(じんようきょ)-腎の陽気不足により正常な造精機能に支障がある状態

主な症状-精液検査(精液量、精子数、運動率、正常形態精子など)の不良、

足腰が冷えやすい、腰痛、小便が近い、量が多い、夜間尿、インポテンツ(精神的な原因でない)、早漏、性欲減退。脱毛、耳鳴り、歯の動揺、息切れなど。舌質 淡(淡い色)、ぼてっと大きい、歯痕(歯型がつく)など

代表処方-至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)、海馬補腎丸(かいまほじんがん)など

3.ストレス・イライラ・のぼせ

肝胆湿熱 (かんたんしつねつ)-ストレスが強く、イライラ、怒りっぽい、のぼせなどがある状態

主な症状-精液検査(精液量、精子数、運動率、正常形態精子など)の不良、早漏。

イライラ、怒りっぽい、口が苦い、口臭、小便の色が濃い、のぼせ、顔面の紅潮、高血圧、などの症状がある。

排尿困難、排尿痛がみられることもある。舌質 紅、舌苔 黄
仕事や生活環境での強いストレス、油物、肉食、香辛料、コーヒーなどの刺激物の取りすぎにより起こりやすい。温性の強い強精剤の長期服用により起こることもある。

代表処方-竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

4.ストレス疲れ、眠りが浅い、だるい

心脾両虚(しんぴりょうきょ)-過労、考え込み、ストレスなどにより心脾の気血不足した状態

主な症状-精液検査(精液量、精子数、運動率、正常形態精子など)の不良、インポテンツ、早漏。

顔色にツヤがない、痩せる、元気がない、倦怠感、食欲不振、泥状便、動悸、夢が多い、汗をよくかく、物忘れなど。舌質 淡

代表処方-帰脾湯(きひとう)

5.手足の火照り、眠りが浅い、口の渇き

心腎不交(しんじんふこう)-心血・腎陰の不足による状態。

主な症状-精液検査(精液量、精子数、運動率、正常形態精子など)の不良、早漏

手足のほてり、寝汗、微熱が出やすい、口の乾燥、腰がだるい、頭のふらつき、めまい、耳鳴り、尿が濃い。舌質 紅

代表処方-天王補心丹(てんのうほしんたん)

6.胃腸が弱い、軟便、疲れやすい

脾虚痰湿(ひきょたんしつ)-脾胃の気の不足により、水分代謝がよくない状態。

主な症状-精液検査(精液量、精子数、運動率、正常形態精子など)の不良。インポテンツ。
元気がない、疲れやすい、食欲不振、食後に胃がもたれる、泥状便、下痢しやすい、口が粘る、舌質 淡、ぼてっと大きい、歯痕(歯型がつく)、湿潤

代表処方-香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)、六君子湯(りっくんしとう)

○生活環境を整えましょう。

女性不妊症と同様に、男性不妊症も日々の食生活や生活環境の影響がとても大きいです。

食生活-現代人は油もの、乳脂肪、動物性たんぱく、インスタント食品、香辛料、砂糖類などの取りすぎにより、湿熱が生じ、生殖器系の状態を悪くさせてしまいます。

タバコやアルコール度の高いお酒の飲み過ぎにもご注意下さい。

(ただ、我慢しすぎると強いストレスになりますので、まずはできる範囲から始めましょう)

日本人は、野菜や穀物を中心とした和食が体に合っています。これは女性も同様です。

睡眠-早寝、早起きを心がけましょう。できれば夜11時まえには就寝するようにしましょう。

ストレス-仕事や環境(騒音、ご近所とのトラブル、家族間の気兼ねなど)などさまざまな事がストレスになりえます。

解決可能なストレスは円満に解決するよう努力しましょう。解決不可能はものは、うまく受け流せるようにしましょう。

夫婦仲良く-一般的に男性より、女性の方が子供を欲する気持ちが強いです。

その思いが強いからこそ、女性はとても大変な出産や育児をこなし、犠牲的精神で子供を愛することができるのでしょう。

たぶんこれは性別の本能的、本質的な違いだと思います。
お互いの意識の違いを理解しながら、自分の気持ちもしっかり伝えていくことが大切です。