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腹痛と漢方薬

目次

  • 長年の腹痛の不調に悩んでいる方
  • 胃腸薬の服用を止めていきたい方
  • 漢方薬で胃腸の調子を良くしたい方

腹痛

腹痛は、消化器、泌尿器、婦人科領域、血管、筋肉、腹膜など腹腔内(ふくくうない)にあるあらゆる器官の病変により起こります。
痛みの程度や部位、性質、随伴症状などで原因となる疾患がある程度推測できます。
痛む部位によって、予想される代表的な疾患を挙げます。

(1) 心窩部(みぞおちあたり)
(2) 右上腹部(右季肋部)
(3) 左上腹部(左季肋部)
(4) へそ部
(5)(6) 右・左側腹部
(7)(8) 右・左下腹部
(9) 下腹部

①心窩部(みぞおちあたり)

食道- 逆流性食道炎、特発性食道破裂
胃 -急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍、胃がん
十二指腸-十二指腸潰瘍
心臓-狭心症、心筋梗塞
その他-膵炎、胆嚢炎、胆石症などの疾患

①心窩部(みぞおちあたり)の痛みによい漢方薬

○安中散(あんちゅうさん)
慢性胃炎で、胃痛が長く続いた時に用います。もともとは、虚弱体質で血色がすぐれず、冷え性で、胃がしくしく痛んだり、ゲップが出たりします。冷たい物で胃痛がしたり、食前に胸焼けがする場合にも良いです。甘い物が好きな方が合う場合が多いです。

○人参湯(にんじんとう)
普段から胃が弱く、冷え症で疲れやすい方に用います。冷え性で尿量が多く、みぞおちのつかえ、時に痛みがあり、少し食べるとすぐおなかがいっぱいになって苦しい。また口の中に薄い睡液がたまり、軟便または下痢をしやすい方に効果があります。

○六君子湯(りっくんしとう)
普段から胃腸の働きが弱く、胃痛や食欲不振、胃もたれを起こしやすい場合によい処方です。胃内停水と言って、お腹を押すと胃の中で水がチャポチャポする状態が起きる方に合う漢方薬です。

○黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
赤ら顔でのぼせ感があり、イライラしやすい方が、胃が張って痛む時や、吐血した場合。

○黄連湯(おうれんとう)
もともとは体力がある方で、腹部の少し上に、かなり激しい痛みがあり、吐き気や胃の重苦しさ、食欲不振などがある場合。

○半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
比較的体力のある方で、胃痛や胃の不快感やおなかがゴロゴロ鳴る場合。

②右上腹部(右季肋部)

肝臓-急性肝炎、肝硬変、肝がん、アルコール性肝炎
胆道-胆石症、胆道感染症、胆嚢がん
その他-胃十二指腸、右腎臓、膵炎などの疾患

③左上腹部(左季肋部)

膵臓-急性膵炎、慢性膵炎、膵石症、膵がん
その他-胃、脾臓、左腎臓などの疾患

②③ 左右上腹部痛(左右季肋部)の漢方薬

○柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
少し体力が落ちている人で、みぞおちから肋骨下部が張り胸苦しさのある場合。体の熱や炎症・痛みをやわらげる働きがあり、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胆石、肝炎など上部消化器系の病気や長びくカゼで微熱や頭痛・食欲不振をともなう時などに用いる。

○小柴胡湯(しょうさいことう)
体力中等度で、季肋部や上腹部が張って苦しく、食欲不振・口が苦い・微熱・吐き気などがある場合。

○四逆散(しぎゃくさん)
比較的体力のある者で、両脇の胸脇苦満・抑鬱症状・手足の冷感

○大柴胡湯(だいさいことう)
比較的体力のある者で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴りや肩こりを伴う場合。

 

④へそ部

腸-感染性腸炎、虫垂炎の初期、腸閉塞
血管-腹部大動脈瘤
その他-胃の病気など

④ へそ部の痛み ⑨ 下腹部の痛みによい漢方薬

○小建中湯(しょうけんちゅうとう)
体力・気力がなく、腹痛があり、動悸して鼻血を出したり、四肢が痛む,手足がほてる、口が乾く等の者に用いる。また小便が頻繁で皮膚につやがない、また妊婦の腹痛の場合にも用いられる。

○人参湯(にんじんとう)
普段から胃が弱く、冷え症で疲れやすい方に用います。冷え性で尿量が多く、みぞおちのつかえ、時に痛みがあり、少し食べるとすぐおなかがいっぱいになって苦しい。また口の中に薄い睡液がたまり、軟便または下痢をしやすい方に効果があります。

○当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え症の虚弱体質で、腹痛、貧血、めまい、倦怠感、月経不順、生理痛など

○通導散(つうどうさん)
比較的体力があって、下腹部に圧痛があり便秘がちなもので、月経不順、月経痛、肩こり、頭痛など

⑤⑥右・左側腹部痛

腎臓-腎梗塞、腎膿瘍、遊走腎、水腎症、腎がん、腎臓結石
その他-尿管の疾患など

⑤⑥ 右・左側腹部痛の漢方薬

○柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
少し体力が落ちている人で、みぞおちから肋骨下部が張り胸苦しさのある場合。体の熱や炎症・痛みをやわらげる働きがあり、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胆石、肝炎など上部消化器系の病気や長びくカゼで微熱や頭痛・食欲不振をともなう時などに用いる。

○小柴胡湯(しょうさいことう)
体力中等度で、季肋部や上腹部が張って苦しく、食欲不振・口が苦い・微熱・吐き気などがある場合。

○四逆散(しぎゃくさん)
比較的体力のある者で、両脇の胸脇苦満・抑鬱症状・手足の冷感

○大柴胡湯(だいさいことう)
比較的体力のある者で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴りや肩こりを伴う場合。

⑦⑧右・左下腹部痛

大腸-虫垂炎〈右側〉、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室症、大腸がん、過敏性腸症候群
尿管-尿管結石
女性-卵巣腫瘍、その他の女性性器の病気など

⑦⑧ 右・左下腹部痛によい漢方薬

○桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
体力が中等度で、下腹部の張りや痛み、のぼせや肩こり、月経不順、月経痛など

○桃核承気(とうかくじょうきとう)
比較的体力があり、便秘がちで下腹部の張りや痛み、のぼせや肩こり、月経不順、月経痛など

○大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
比較的体力があり、下腹部痛(主に右)や便秘がある痔疾、月経不順など

 

⑨下腹部

膀胱-急性膀胱炎、慢性膀胱炎
女性-子宮付属器炎、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮がん、月経困難症、切迫流産、子宮外妊娠
男性-慢性前立腺炎
その他-大腸、尿管などの疾患

⑨ 下腹部の痛みによい漢方薬

○小建中湯(しょうけんちゅうとう)
体力・気力がなく、腹痛があり、動悸して鼻血を出したり、四肢が痛む,手足がほてる、口が乾く等の者に用いる。また小便が頻繁で皮膚につやがない、また妊婦の腹痛の場合にも用いられる。

○人参湯(にんじんとう)
普段から胃が弱く、冷え症で疲れやすい方に用います。冷え性で尿量が多く、みぞおちのつかえ、時に痛みがあり、少し食べるとすぐおなかがいっぱいになって苦しい。また口の中に薄い睡液がたまり、軟便または下痢をしやすい方に効果があります。

○当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え症の虚弱体質で、腹痛、貧血、めまい、倦怠感、月経不順、生理痛など

○通導散(つうどうさん)
比較的体力があって、下腹部に圧痛があり便秘がちなもので、月経不順、月経痛、肩こり、頭痛など

○腹部全体
過敏性腸症候群、感染性腸炎、腸閉塞、急性腹膜炎、腹部大動脈瘤など