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胃の不調と漢方薬

目次

  • 長年の胃の不調に悩んでいる方
  • 胃薬の服用を止めていきたい方
  • 漢方薬で胃の調子を良くしたい方

胃痛(胃の病気・不調)

胃の不調には、痛む、もたれる、胸やけがする、食欲がないなど、いろいろな症状があります。
胃酸が出過ぎて胃が荒れている場合や胃の運動機能が弱って消化が進まない場合など、起こっている状態によって対処方法も異なってきます。

また、胃腸の症状が出る原因としては、暴飲暴食(特に油物、肉類、香辛料など)やストレス・過労・睡眠不足などがあり、暴飲暴食の場合は食生活の改善が重要ですし、過労や睡眠不足が影響している場合は、休養が必要にます。
また、ストレスによる影響が強い場合、ストレスを解消する事が大切ですが、その状況によってはストレス状態を改善する漢方薬を使用する方がよい場合もあります。

急性胃炎

コーヒーや香辛料・油物の摂り過ぎや風邪薬や鎮痛剤などの服用により胃粘膜が炎症を起こした状態です。普通は、2~3日で治ります。ただし、急性胃炎を繰り返していると、慢性胃炎になります
主な症状

胃のあたりに不快感や痛みなどがある、胃のむかつきや嘔吐(時には吐血することも)、食欲不振

代表処方

○黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
赤ら顔でのぼせ感があり、イライラしやすい方が、胃が張って痛む時や、吐血した場合。

○黄連湯(おうれんとう)
もともとは体力がある方で、腹部の少し上に、かなり激しい痛みがあり、吐き気や胃の重苦しさ、食欲不振などがある場合。

○半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
比較的体力のある方で、軽い胃痛があり、胃の不快感やおなかがゴロゴロ鳴る場合。

○安中散(あんちゅうさん)
体力のない虚証の人の急性胃炎に用います。食事に関係なく、みずおちに痛みがあったり、甘党の方。冷たい物の服用で痛む場合。

 

慢性胃炎

胃炎の状態が慢性化したもので、胃の粘膜の状態によって、表層性[ひょうそうせい]胃炎(胃粘膜表面で軽い炎症のある状態)、びらん性胃炎(炎症により胃粘膜表面がえぐれた状態)、萎縮性[いしゅくせい]胃炎、肥厚性[ひこうせい]胃炎(胃粘膜表面が正常より厚く見える状態)と分けられます。

そのうち一番多いのは萎縮性胃炎といって、胃粘膜の炎症が長く続いたために胃粘膜自体が萎縮し薄くなっている状態の慢性胃炎です。
主な症状

常に胃に不快感がある、胃もたれや食後の腹痛、時に空腹時痛、食欲不振、胸焼けや吐き気などの自覚症状

代表処方

○半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
慢性胃炎に、最もよく使われている処方で、比較的体力のある方に合います。みぞおちがつかえて、食欲がなく、おなかがゴロゴロと鳴ったり、吐き気、下痢などがある時に用いると効果があります。

○安中散(あんちゅうさん)
慢性胃炎で、胃痛が長く続いた時に用います。もともとは、虚弱体質で血色がすぐれず、冷え性で、胃がしくしく痛んだり、ゲップが出たりします。冷たい物で胃痛がしたり、食前に胸焼けがする場合にも良いです。甘い物が好きな方が合う場合が多いです。。

○人参湯(にんじんとう)
普段から胃が弱く、冷え症で疲れやすい方に用います。冷え性で尿量が多く、みぞおちのつかえ、時に痛みがあり、少し食べるとすぐおなかがいっぱいになって苦しい。また口の中に薄い睡液がたまり、軟便または下痢をしやすい方に効果があります。

○六君子湯(りっくんしとう)
普段から胃腸の働きが弱く、胃痛や食欲不振、胃もたれを起こしやすい場合によい処方です。胃内停水と言って、お腹を押すと胃の中で水がチャポチャポする状態が起きる方に合う漢方薬です。

胃潰瘍

胃酸がなんらかの原因によって胃粘膜まで消化してしまい、胃壁がただれて傷つき、ひどいときには筋肉までえぐりとってしまった状態です。再発を繰り返す潰瘍は、ピロリ菌感染による影響も指摘されています。
症状-みぞおちから左にかけての鈍い痛み。痛みの程度は人によってさまざまで、全く痛みを感じない人もいる。痛みを感じるのは食事中や食後。胸焼け、すっぱいゲップ、吐き気などを感じる。胃の出血がある場合は黒褐色の血を吐いたり、コールタールのような黒い便が出ることがある。

ポリープ

胃のポリープは、粘膜の表面にできる、小さなこぶのようにふくれたものです。ポリープの細胞組織が良性であれば、がんになる心配はありません。良性であることが多く、小さいものは、治療の必要はありません。
症状-自覚症状がほとんどない。まれに、上腹部の不快感や痛み、食欲不振、吐き気などを感じることがある。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、食道に胃酸が逆流して食道の粘膜を傷つけることで起こる炎症です。胃を切除した人や高齢者に多くみられますが、肥満や妊娠によって胃酸の逆流が起こることもあります。欧米と比べると日本人には少ない病気でしたが、最近急激に増えています。食生活の変化やストレスの影響が考えられます。降圧剤や高脂血症薬などの医薬品による影響も考えられます。
症状-横になったときや、かがんだときに胸焼けを感じる。胸の下の方が痛い、食道がつかえる感じがする

胃下垂・胃アトニー

胃のバリウム検査で確認して、胃が骨盤よりも下がっていると、胃下垂の状態です。
胃アトニーは、胃下垂が原因で胃の筋肉がたるみ、胃の動きが悪くなることです。

胃下垂に胃炎や胃アトニーなどが加わると、胃もたれや膨満感などの不快な症状を起こしやすくなります。
症状-胃下垂だけの場合には、自覚症状はほとんどなく、胃アトニーになると、消化不良による胃もたれや胃痛、ゲップなどがある

胃けいれん

胃壁にある筋層が異常に緊張して痛みます。胃けいれんの原因として、胃炎や胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍、胆石症、膵炎などの可能性が考えられます。

また、強いストレスを感じて緊張しすぎた場合にも起こることがあります。
症状-みぞおちのあたりを中心に痛みの発作が起きる。発作の時間は数分から長いものでは1~2時間続くこともある。

胃拡張

胃の内容物が十二指腸へ移動できない排出障害によって、胃が異常に大きくなることをいいます。

単に食べ過ぎて胃が重いのは、胃拡張ではありません。
症状-上腹部にはった感じがある。嘔吐すると、かなり前に食べたものが混じっている