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自律神経失調症と漢方薬

  • いろいろな症状で困っている方
  • 病院の検査では異常がでないが不調が治らない方
  • 漢方薬で自律神経失調症を治したい方

目次

自律神経失調症

自律神経失調症は当薬局でも相談が多いお悩みの一つです。

自律神経の乱れにより様々な精神的な症状や身体的な症状が起こります。病院で検査をしてもはっきりとした病気が見つからない状態です。
自律神経失調症の原因は、過剰なストレスや、不規則な生活習慣などのライフスタイルによると考えられます。女性の場合は、ホルモンのバランスが崩れることによって起こる更年期障害もそのひとつです。

自律神経とは、自分の意思とは無関係に働く組織(内臓や血管、リンパ腺など)に分布する神経系のことで、呼吸や代謝、消化、循環などの調節を行う神経です。

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は代謝、消化などの生命活動を活発にする働きをし、副交感神経は交感神経とは全く逆の働きをする。
日中などの活動すべき時には交感神経が優位に働き、夜間の安静(リラックス)時には副交感神経が優位に働くのが、正常な状態です。
ところが、過労、ストレスなどで脳を休める時間が減ると自律神経が興奮し、結果的に交感神経と副交感神経の優位入れ替わりのバランスが崩れ、自律神経失調症となるとされています。
自律神経の中枢は脳の視床下部というところにあり、この場所は情緒、不安や怒り等の中枢とされる辺縁系と相互連絡していることから、こころの問題も関わってきます。
女性の場合は自律神経の乱れ→ホルモンバランスの乱れ→生理周期の乱れ、につながることもあります。

自律神経失調症には様々な症状があり、どの症状がどれだけ強いのか弱いのかは患者それぞれで、漢方処方もその方の状態に合ったものを服用する必要があります。

よく起こる症状

・頭部
頭痛・めまい・のぼせ・発汗・耳鳴り
・口腔・呼吸器
口の乾燥・舌痛・舌の違和感・のどのつまり感・息苦しい・過呼吸
・循環器
動悸・息切れ・胸痛
・消化器
・食欲不振・過食・便秘・下痢
・疼痛・不快症状
肩こり・頭痛・手足のしびれ・背中の張り
・身体的症状
疲労倦怠・朝起きられない・頻尿・残尿感
・精神症状
イライラ・不安感・パニック・過呼吸・不眠

漢方医学では、自律神経失調の状態を、体内の気・血・水のどれか、あるいは複数の乱れによるものと考え、その状態を改善する漢方薬を使用して、辛い症状を治していきます。

よく使用する漢方薬

・めまい・立ちくらみ
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)・連珠飲(れんじゅいん)・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・イライラ・不安感
加味逍遙散(かみしょうようさん)・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)・抑肝散(よっかんさん)・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・のぼせ・冷え
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・女神散(にょうしんさん)・加味逍遙散(かみしょうようさん)
・不眠
抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんがちんぴはんげ)・酸棗仁湯(さんそうにんとう)・帰脾湯(きひとう)・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

・クザザサエキス(ササヘルス)-血液浄化、抗ストレス作用、腸内環境の改善など

 

○日常生活

自律神経失調症の改善のためには、日常生活の見直しも大切です。

夜更かしをせずに、規則正しい時間に起きましょう。

朝、短時間(5分でも)でも良いので日光に当たりましょう。可能であれば、朝のお散歩がお勧めです。(体の体内時計をリセット)

ウォーキング・ヨガなど適度の運動をしましょう。深呼吸や瞑想も良いです。

タバコやアルコール、コーヒーの摂り過ぎに気をつけましょう。

あとは、漢方薬を服用しながら体調を整えていくことで、少しずつ症状が改善していきます。