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不妊症の原因と漢方薬

目次

不妊症の原因と漢方薬

ここでは、現代医学からみた不妊症の原因とそれに対応する代表的な漢方治療を紹介します。

・不妊症の原因を知りたい方

・自分の不妊原因に合う漢方薬を知りたい方


同じ不妊症の原因であっても漢方医学的にはさまざまな見立てがあり、それに合わせた処方が必要となります。

☆男性因子による不妊

正常精液所見(WHO基準)
精液量    2ml 以上
精子濃度   1ml中に2000万以上
精子運動率  前進運動精子50%以上、または高速直進運動精子25%以上
正常形態精子 30%以上
生存率    75%以上
白血球    1ml中に100万個未満
イムノビーズテスト  20%未満の結合率
MARテスト  10%未満の結合率
中国医学による主な対処法-温補腎陽・補腎益精・清熱瀉火など

代表処方-至宝三鞭丸、海馬補腎丸、イーパオ、瀉火補腎丸など

☆頚管因子による不妊 A

排卵日頃の子宮の入り口は頚管粘液と呼ばれる水様透明な液体で満たされ、精子がその中を
遊泳して子宮に進入します。
頚管粘液は単に精子の通り道の役目だけでなく、精子が頚管粘液を遡上していく間に運動性が
高まっていきます。(受精能獲得)

 

頚管粘液の性状が悪かったり、分泌量が少ない場合には精子が進入・通過する事ができません。
これによる不妊を頚管因子による不妊といいます。
中国医学による主な対処法-補腎益精・養血など

代表処方-参茸補血丸、杞菊地黄丸、婦宝当帰膠、亀鹿仙な

☆卵管因子による不妊 B

卵管は子宮と卵巣を結ぶ管ですが、細いところは内径1mmほどしかなく、感染などで閉鎖することがあります。
また、卵管の腹腔側は扇状に開いた形になっていますが、その周囲が癒着などで変形していると排卵された卵子を受け取ることができず不妊の原因となります。
中国医学による主な対処法-疏肝理気・活血・清熱解毒など

代表処方-逍遙散、冠元顆粒、血府逐於丸、温清飲など

☆排卵障害による不妊

卵巣の中の最も小さい原始卵胞は直径0.1mmほどですが、徐々に成長し8mmになるころからエストロゲンの分泌が徐々に亢進し、15mmになると急増します。
小卵胞での発育障害- 大部分の卵胞が1mm以下のもので十分なエストロゲン分泌を欠く
中卵胞での発育障害- 卵巣中に5mmほどの卵胞が多数存在し基礎レベルのエストロゲン分泌をみる。第1度無月経、無排卵周期症、
多嚢胞性卵巣症候群
成熟卵の排卵障害-  排卵直前の18mm程度の卵胞成熟があるが卵胞破裂が起こらず卵子を含んだまま黄体形成をするもの
中国医学による主な対処法-補腎益精・養血・活血など

代表処方-亀鹿仙、杞菊地黄丸、参茸補血丸、婦宝当帰膠、冠元顆粒、折衝飲など

☆卵子の補足障害による不妊

卵巣から飛び出した卵子は、ラッパのような形をした卵管采に補足され卵管内へ取り込まれ
精子と受精し受精卵となります。
卵管采の形が変形していたり、腫れていては卵子を取り込むことができません。
難治性不妊の約半数が卵子補足障害によるといわれています。

中国医学による主な対処法-活血・化痰利水・清熱利湿など

代表処方-冠元顆粒、竜胆瀉肝湯、温胆湯、爽月宝など

☆受精障害による不妊

卵子に出会った精子は、卵子を取り囲むゼリー状の卵丘細胞の層を通り抜け、透明帯の層に結合します。
透明帯に結合した精子の頭部からアクロシンと呼ばれる蛋白分解酵素が噴出され精子の通り道ができます。透明帯を通り抜けた
精子は卵子の細胞膜と結合、融合し卵子の中へ取り込まれていきます。
精液所見が正常でもこれら一連の現象がうまくいかないものを受精障害による不妊といい不妊患者の約4%をしめます。

中国医学による主な対処法-温補腎陽・補腎益精・養血・活血など

代表処方-参茸補血丸、至宝三鞭丸、海馬補腎丸、冠元顆粒、折衝飲など

☆着床障害による不妊

1.子宮因子
排卵以後の卵巣の内腔は受精卵(胚)が着床しやすいようにビロードのような粘膜で覆われています。ところが子宮に病変がある
と子宮内膜が損なわれ着床できなくなります。
不妊患者の約15%をしめます。(先天的子宮形態異常2%、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腔癒着症などが13%)
2.黄体機能不全による着床障害
排卵後の卵胞は黄体に変化します。この黄体からプロゲステロンとエストロゲンが分泌され子宮内膜を着床しやすいように変化させます。
黄体の働きが悪く十分にホルモンが分泌されない場合や子宮内膜がホルモンに反応しない場合を黄体機能不全による不妊といいます。

中国医学による主な対処法-温補腎陽・補気養血 など

代表処方-参茸補血丸、至宝三鞭丸、プラセンタ製剤など

血中プロゲステロン値
卵胞期 0.5ng/ml
排卵直後3~5ng/ml
黄体期中期 10~20ng/ml

☆子宮内膜症に伴う不妊

子宮内膜症とは子宮内膜が正規の子宮内腔以外に骨盤の腹膜や卵巣などに入り込んでいる場合をいい、不妊の方の20~30%にみられます。
子宮内膜症が卵管を巻き込むと卵管性不妊の原因になりますし、卵巣にできますと卵胞の発育を傷害することがあります。

中国医学による主な対処法-活血・化痰・清熱解毒・温補腎陽・気血双補など

代表処方-冠元顆粒、折衝飲、温胆湯、二陳湯、十全大補湯など

☆免疫性不妊

精子と結びついて、その運動性や受精能力を損なう抗体と呼ばれる物質による不妊症。卵子に対する抗体もあります。
不妊患者の5~10%

女性が有する異常抗体
抗精子抗体-精子の運動を障害する
精子の受精能力を障害する
精子と卵子の融合を障害する
抗卵子抗体-卵子の発育を障害する

男性が有する異常抗体
抗精子抗体-精子の運動を障害する
精子の受精能力を障害する
中国医学による主な対処法-補腎清熱・益気去風・清熱解毒など

代表処方-瀉火補腎丸、イーパオ、黄連解毒湯、温清飲、シベリア霊芝など