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子宮筋腫と漢方薬について

目次

子宮筋腫と漢方薬

ここでは、子宮筋腫とそれに対応する代表的な漢方治療を紹介します。

・子宮筋腫を治したい方

・子宮筋腫で月経の時つらい方

・子宮筋腫で貧血になる方

 子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍(しゅよう)

成人女性の2~3割は子宮筋腫を持っていると言われています。

主に30~40歳代の女性に見つかり、筋腫の大きさや個数は個人差があります。

子宮筋腫の原因ははっきりしていませんが、女性ホルモンの影響で筋腫が発育すると考えられ
ています。

子宮筋腫の種類

子宮筋腫の種類は、子宮のどこに筋腫ができるかによって分類されます。

・筋層内子宮筋腫 (きんそうないしきゅうきんしゅ)

子宮の筋層の中にできた筋腫で、周りの子宮筋を押しのけて大きくなります。

・漿膜下子宮筋腫 (しょうまくかしきゅうきんしゅ)

子宮の外側を覆っているしょう膜の下にできる筋腫で、子宮の外側に突き出て大きくなります。

・粘膜下子宮筋腫 (ねんまくかしきゅうきんしゅ)

子宮の内側を覆っている子宮内膜の下にできる筋腫で、子宮腔内に突き出てきます。

子宮筋腫の症状

子宮筋腫の主な症状は、月経困難症や過多月経です。また、筋腫が大きくなると、周囲の臓器を圧迫する症状がでることがあります。しかし、筋腫のできた場所や大きさによっては自覚症状がなく、健康診断で貧血を指摘されて初めて気付くこともあります。

月経困難症

月経は、子宮筋が収縮して剥がれ落ちた子宮内膜を体外に排出する現象です。子宮筋腫があると子宮筋が収縮しにくくなるため過度の収縮が起こり、月経痛がひどくなると考えられています。

過多月経

月経血が以前より増えたり、月経期間が8日以上続いたりする場合は、過多月経の可能性があります。粘膜下に筋腫ができると月経時に剥がれ落ちる子宮内膜の面積が広がり、筋腫ができた場所に関らず筋腫が大きくなると骨盤内の圧迫も増え、過多月経を引き起こす原因となります。また、月経時以外にも不正出血することもあります。

貧血

過多月経が原因で貧血になることもあり、血液検査で確認します。

便秘・頻尿

筋腫が大きくなると、骨盤内の臓器(直腸、膀胱)が圧迫され、便秘や頻尿になることもあります。

腰痛

筋腫が大きくなると、骨盤内の神経が圧迫され、腰が痛くなることもあります。

子宮筋腫の治療法

薬物療法

鎮痛剤-アセトアミノフェンやイブプロフェン・ロキソニンなどの鎮痛剤で痛みを和らげたり、子宮筋を弛緩する働きを持つ鎮痙剤が用いられたりします。

偽閉経療法-女性ホルモンの分泌を抑えことによって、月経を止める方法です。

手術療法

子宮筋腫核出術-子宮の正常な組織を残し、筋腫のみを摘出する方法で開腹手術または腹腔鏡手術で行われます。

子宮全摘術-子宮を全て摘出する方法です。

子宮筋腫によい漢方薬

・血瘀型-血行不良による状態。月経異常・月経痛・月経血に塊が混じる
代表処方-桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・折衝飲(せっしょういん)など

・気滞型-気の流れの不調。月経異常・月経前の胸や腹部の張り・イライラ
代表処方-香棱丸(こうりょうがん)・四逆散(しぎゃくさん)など

・痰湿型-水分代謝が悪くなった状態。月経異常、オリモノが多い、むくみなど

代表処方-温胆湯(うんたんとう)、桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)など

・その他-子宮筋腫により、月経の出血量が多いと貧血を起こすこともあります。

その場合には、補血薬を使用することもあります。ただ、補血薬は使用しすぎると筋腫を増大させてしまう可能性もありますので、注意が必要です。