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月経不順(生理不順)を改善する漢方薬を紹介します

  • 月経不順でお困りの方
  • ピルを止めると月経不順になる方
  • ピルを止めて根本的に月経不順を治したい方

目次

月経不順について

月経不順には、月経の周期(月経の起こる頻度)の異常に対して、大きく3つのタイプがあります。

また、月経の出血量と出血期間の異常は、4つのタイプがあります。

月経が来るのが遅いタイプ

稀発月経(きはつげっけい)

月経の正常周期は25~38日間のサイクルで、39日以上の長い月経周期のことを稀発月経といいます。

原因は、卵巣の働きが不十分で、ホルモンが順調に分泌されていないことが考えられます。

月経が来るのが早いタイプ

頻発月経(ひんぱつげっけい)

月経周期が24日以下という短いサイクルになることを頻発月経といいます。

原因としては、卵巣の働きが落ちているか、ストレスによるホルモン分泌の乱れが考えられます。

頻発月経には、黄体ホルモンの分泌が不十分で、排卵日から月経開始までの期間が短くなる黄体機能不全の場合もあります。

月経が短くなったり、長くなったりするタイプ

不定期月経(ふていきげっけい)

原因としては、ストレスによるホルモン分泌の乱れや更年期などが考えられます。

月経期間が8日以上続く状態を「過長月経」、

月経血量が異常に多い状態を「過多月経」といいます。

 

原因としてはホルモンバランスの乱れや子宮の病気などが考えられます。

過多月経に関して明確な基準はないのですが、一応の目安は、

  1. ナプキンが1時間もたない
  2. 量の多い月経が8日以上続く
  3. レバー状の塊が多い

過多月経の場合は、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮内膜増殖症・子宮腺筋症などによる場合もあります。

月経の出血量が異常に少なく、ナプキンの表面に経血がわずかにつく程度で終わってしまうような状態を「過少月経」といいます。

月経期間が1~2日で終わる状態を「過短月経」といいます。

原因としては、子宮の発育不全、子宮内膜の癒着などの子宮に異常のある場合やホルモンの分泌異常による無排卵性月経や黄体機能不全の場合が考えられます。

基礎体温をつけて、高温期がなければ無排卵性月経、高温期が9日以内なら黄体機能不全である可能性があります。

月経不順の漢方治療

月経周期が来るのが遅い稀発月経の5つの漢方治療

稀発月経は、漢方医学では経行後期ともいい、主に5つのタイプに分類して治療します。
冷えと血行不良(血寒・けっかん)

外気の寒さや雨によって冷えたり、生ものや冷たい物の食べ過ぎで、婦人科(生殖器系)が冷えた状態

主な症状-月経の遅れ、月経量が少ない、月経血の色が暗い紫、塊が混じる、温めると楽になる下腹部痛、手足の冷えなど

代表処方は、温経湯うんけいとう、当帰四逆加呉茱萸生姜湯とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう、参茸補血丸さんじょうほけつがん、など

ストレス・イライラ・血行不良(気滞血於・きたいけつお)

ストレスや睡眠不足・飲食の不摂生などにより、気血の流れが乱れた状態

主な症状-月経の遅れ、月経血の色が暗い紫、塊が混じる、月経前や月経中のお腹の張り、乳房の張り、乳首の痛み、イライラしやすい、眠りがよくない、など

代表処方は、折衝飲せっしょういん、冠元顆粒かんげんかりゅう、通導散つうどうさん、など

むくみ・水太り(痰湿・たんしつ)

もともとの水分代謝が悪い体質や飲食の不摂生によって消化器の機能が悪くなり不要な水分が停滞した状態

主な症状-月経の遅れ、月経の色が淡色で粘稠、むくみやすい、肥満、胸苦しい、体がだるい、痰が多いなど

代表処方は-防已黄耆湯ぼういおうぎとう、茯苓飲ぶくりょういん、当帰芍薬散とうきしゃくやくさん、など

血液不足・貧血(血虚・けっきょ)

貧血の体質やダイエット、長期の体調不良や出血などによって、血(栄養・酸素など)が不足した状態

主な症状-月経が遅れ、月経量が少ない、色がうすい、頭のふらつき、動悸、肌の乾燥など

代表処方-婦宝当帰膠ふほうとうきこう、四物湯しもつとう、十全大補湯じゅうぜんだいほとう、など

卵巣の機能低下・ホルモン不足(腎虚・じんきょ)

もともとの体質や過度の疲労、性生活の不摂生、加齢などにより腎の力が落ちている状態。長期にわたるホルモン治療でも起こる可能性があります。

主な症状-月経の遅れ、月経血が淡い、足腰のだるさ、精力減退、小水の異常など

代表処方-参茸補血丸さんじょうほけつがん、至宝三鞭丸しほうさんべんがん、亀鹿仙きろくせん、など

月経が来るのが早い頻発月経の3つの漢方治療

頻発月経は、漢方医学では経行先期ともいい、主に3つのタイプに分類して治療します。
のぼせ・月経血が濃く粘る(血熱けつねつ)

体質が陽性(熱をもちやすい)で、刺激物や油物・アルコールなど体に熱を生みやすい物の過食や過度のストレスによって血熱を起こした状態

主な症状-月経周期が短い、月経量は多い、月経血の色は濃い紅あるいは黒紫、粘り、ニオイが強い、のぼせ、いらだち、口の渇き、便秘、など

代表処方-涼血顆粒りょうけつかりゅう・温清飲うんせいいん、など

ほてり、月経量が少ない(陰虚血熱いんきょねつねつ)

長期の体調不良や体力の消耗・ダイエット・性生活の不摂生などにより、体の潤い(陰液)が不足して、相対的に体に熱症状があらわれた状態

主な症状-月経周期が短い、月経量が少ない、手足のほてり、口の渇き、頭のふらつき、寝汗をかきやすい、など

代表処方-瀉火補腎丸しゃかほじんがん、両地湯りょうじとう、など

ストレス・イライラ(肝鬱化熱かんうつかねつ)

ストレスが長期化して、体内に熱が生じて月経周期がみだれた状態

主な症状-月経周期が短い、月経量は一定しない、イライラ、ゆううつ感、のぼせ、腹部や乳房の張り、月経前にイライラが強い、乳首が痛むなど

代表処方-加味逍遙散かみしょうようさん、温清飲うんせいいん、など

疲労、元気がない(気虚ききょ)

過労や飲食の不摂生から胃腸の消化吸収が落ち、気が不足した状態

主な症状-月経周期が短い、月経量は多いが色が淡く稀白、疲れやすい、元気がない、食欲不振、大便が軟便気味など

代表処方-補中益気湯ほちゅうえっきとう、帰脾湯きひとう、など

月経期間が早かったり、遅かったりする不定期月経の2つの漢方治療

月経が短くなったり、長くなったりする経期不定は、主に2つのタイプがあります。

ストレス・イライラ(肝鬱気滞かんうつきたい)

ストレスを受けやすい性質、強いストレスの長期化などで、自律神経、精神神経、ホルモンバランスが乱れた状態

主な症状-月経周期が一定しない、月経量の一定しない、月経痛が強い、イライラ、ゆううつ感、腹部や乳房の張り、月経前にイライラが強い、乳首が痛む、不眠、途中覚醒、夢が多い、など

代表処方-逍遙散しょうようさん、柴胡疏肝散さいこそかんさん、など

卵巣の機能低下・ホルモン不足(腎虚・じんきょ)

もともとの体質や過度の疲労、性生活の不摂生、加齢などにより腎の力が落ちている状態。長期にわたるホルモン治療でも起こる可能性があります。

主な症状-月経周期が一定しない、月経血が淡い、足腰のだるさ、精力減退、小水の異常など

代表処方-参茸補血丸さんじょうほけつがん、至宝三鞭丸しほうさんべんがん、亀鹿仙きろくせん、など

 

過長月経・過多月経の3つの漢方治療

月経期間や月経量の多い状態は、主に次のタイプに分類されます。

のぼせ・月経血が濃く粘る(血熱けつねつ)

体質が陽性(熱をもちやすい)で、刺激物や油物・アルコールなど体に熱を生みやすい物の過食や過度のストレスによって血熱を起こした状態

主な症状-月経期間が長く、月経量が多い、月経血の色は濃い紅あるいは黒紫、粘り、ニオイが強い、のぼせ、いらだち、口の渇き、便秘、など

代表処方-涼血顆粒りょうけつかりゅう・温清飲うんせいいん、など

ストレス・イライラ・血行不良(気滞血於・きたいけつお)

ストレスや睡眠不足・飲食の不摂生などにより、気血の流れが乱れた状態

主な症状-月経がすっきり終わらない、月経血の色が暗い紫、塊が混じる、月経前や月経中のお腹の張り、乳房の張り、乳首の痛み、イライラしやすい、眠りがよくない、など

代表処方は、折衝飲せっしょういん、冠元顆粒かんげんかりゅう、通導散つうどうさん、など

疲労、元気がない(気虚ききょ)

過労や飲食の不摂生から胃腸の消化吸収が落ち、気が不足した状態

主な症状-月経期間が長い、すっきり終わらない、月経量は多いが色が淡く稀白、疲れやすい、元気がない、食欲不振、大便が軟便気味など

代表処方-補中益気湯ほちゅうえっきとう、帰脾湯きひとう、など

過少月経・過短月経の4つの漢方治療

冷えと血行不良(血寒・けっかん)

外気の寒さや雨によって冷えたり、生ものや冷たい物の食べ過ぎで、婦人科(生殖器系)が冷えた状態

主な症状-月経期間が短い、月経量が少ない、月経血の色が暗い紫、塊が混じる、温めると楽になる下腹部痛、手足の冷えなど

代表処方は、温経湯うんけいとう、当帰四逆加呉茱萸生姜湯とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう、参茸補血丸さんじょうほけつがん、など

ストレス・イライラ・血行不良(気滞血於・きたいけつお)

ストレスや睡眠不足・飲食の不摂生などにより、気血の流れが乱れた状態

主な症状-月経期間不安定、月経量が少ない、月経血の色が暗い紫、塊が混じる、月経前や月経中のお腹の張り、乳房の張り、乳首の痛み、イライラしやすい、眠りがよくない、など

代表処方は、折衝飲せっしょういん、冠元顆粒かんげんかりゅう、通導散つうどうさん、など

血液不足・貧血(血虚・けっきょ)

貧血の体質やダイエット、長期の体調不良や出血などによって、血(栄養・酸素など)が不足した状態

主な症状-月経期間が短い、月経量が少ない、色がうすい、頭のふらつき、動悸、肌の乾燥など

代表処方-婦宝当帰膠ふほうとうきこう、四物湯しもつとう、十全大補湯じゅうぜんだいほとう、など

卵巣の機能低下・ホルモン不足(腎虚・じんきょ)

もともとの体質や過度の疲労、性生活の不摂生、加齢などにより腎の力が落ちている状態

主な症状-月経期間が短い、月経量が少ない、月経血が淡い、足腰のだるさ、精力減退、小水の異常など

代表処方-参茸補血丸さんじょうほけつがん、杞菊地黄丸こぎくじおうがん、至宝三鞭丸しほうさんべんがん、亀鹿仙きろくせん、など

まとめ

月経周期を整えて行くには、体の中を流れる気・血・水の状態を改善していくことが重要です。また、漢方医学でいう「腎」「肝」の働きを良くすることも重要です。

これらの状態が良くなっていくことで、自力で月経周期を整えていくことができ、ピルの服用が要らなくなっていきます。