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高血圧症の漢方薬 

この記事はこんなお悩みの方におすすめです
  • 血圧が高いと指摘され、気になっている方
  • 高血圧を改善したい
  • 高血圧をともなう頭痛や肩こりを治したい
  • 降圧剤を飲みたくない方

目次

高血圧症と漢方薬

高血圧症は、特に自覚症状が無くても、長い間高血圧によって血管に負担をかけ続けることによって、血管障害を起こし、脳梗塞や狭心症、腎不全などの生命に関わるような合併症を起こしやすくします。

その他、慢性病の多くが血管障害によって病気を発病しやすくし、病状を悪化させてしまします。
ただでさえ年齢とともに血管は弾力性が無くなり、血液の質もドロドロになって、流れにくくなります。

血液をサラサラにして、血圧を安定させ、血管に負担をかけないようにすることが非常に大切です。

臨床では、その方の状態に合わせて以下の治療法を組み合わせていきます。

瘀血(おけつ)

血液の粘りが増し、また、血管の内径が狭まり血液の流れが悪くなった状態を「瘀血」といいます。瘀血の改善には、末梢血管の拡張、血栓の溶解、赤血球の変形能の改善などをする「活血化瘀」という方法をとります。

一般に瘀血があると、肩こり、頭痛、手足のしびれ、胸痛、生理痛、顔色がどす黒い、舌の色が暗赤色、または紫色のシミ、唇が黒ずむ、目にくまが出来る、皮膚がざらつく、アザが出来やすい、シミ・ソバカスが多い、手のひらに紅斑がある、痔、内臓にポリ-プや腫瘍、などの症状が起こりやすくなるのが特徴です。

代表的な処方-冠元顆粒(かんげんかりゅう)、血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)など。

心肝上炎(しんかんじょうえん)

長期間のストレスや香辛料・濃厚な味の食事・アルコールなどの過食により、体に熱がこもり、自律神経系の興奮により血管を緊張させたり、心臓の拍動を強めて血圧を上昇させます。
このタイプは、イライラ、怒りっぽい、顔面紅潮、のどが渇き冷たい物を欲しがる、便秘、口臭、口内炎が出来やすい、などの症状が起きやすくなります。
代表的な処方-大柴胡湯(だいさいことう)、牛黄清心丸(ごおうせいしんがん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)など

肝腎両虚(かんじんりょうきょ)

長期にわたる疲労・慢性病・加齢・遺伝などにより自律神経・ホルモンバランス・肝臓や腎臓などの内臓の機能失調による高血圧。
足腰がだるい、疲れやすい、小便の出が悪い、耳鳴り、めまい、目の疲れ、頭がぼーっとする、などの症状が起きやすくなります。
代表処方-杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)など。

痰湿(たんしつ)

甘い物や油物の食べ過ぎ、水分の取りすぎ、胃腸の虚弱、遺伝などにより、体の水分代謝が悪い状態。
体が重い、むくみやすい、小便の出が悪い、めまい、耳鳴り、食後のもたれ、口がねばる、雨天に調子が悪いなどの症状が現れやすいタイプです。
代表処方-半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)など

高血圧症の症例
男性60才 高血圧(185/105)    職業 会社役員
症状 イライラ・のぼせ・頭痛・不眠

初回来局 4/15 もともと血圧は高めだったが、ここ3年で一層高くなった。仕事のストレスが強いことは自分でも分かっている。病院で降圧剤(カルシウム拮抗剤)をもらって飲んでいるが一時的に160ぐらいになるが、しっかり効かない。上記の症状もとれない。
当薬局にある血流計で血流を測定すると、脈拍が80、心拍出量が8.5、心筋負荷指数14000と高く、台形型の血流グラフを示していました。また、舌の色は赤く、黄色いコケがついていました。これはストレスによる心肝上炎とお血によるものなので、心肝上炎を鎮める清熱瀉火の漢方薬を処方し、
イライラやのぼせる時に、牛黄製剤を屯用してもらいました。(正常値 脈拍60~79 心拍出量3.6~7.0 心筋負荷指数7000~12000)

1ヶ月後、血圧160/96、のぼせと頭痛が軽減された、イライラはまだあるが、午黄製剤を服用すると落ち着く。

2ヶ月後、血圧154/93、自覚症状はかなり楽になってきた。脈拍も70になり、心拍出量6.8。

3ヶ月後、血圧146/84、イライラがなくなり、眠りも良くなった。血圧とイライラがこんなに関係があるとは思わなかった。
その後、量を減らして継続。(服用している方が体調がよい)