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不妊症の検査

・これから婦人科へいこうと思っている方

・不妊治療を考えている方

・不妊症の基本的な検査を知りたい方

 

妊娠適齢の女性が避妊を行わずに結婚後3年以上を経過しても妊娠しないことを不妊症と呼びます。

子供が欲しいのになかなかできない方がまずすべきことは3ヶ月以上基礎体温をつけてから産婦人科へ行き、不妊症の基本検査(一般には6つの項目)を受けることです。

目次

6大基本検査とは、

  1. 基礎体温の測定(排卵の有無)
  2. 精液検査(精子の数、運動率、形態など)
  3. 頚管粘液検査(精子の頚管通過と関係の深い頚管粘液の量、質の検査)
  4. フーナーテスト(精子の子宮頚管の通過具合)
  5. 子宮卵管造影(子宮の形と卵管の通過性)
  6. 経膣超音波診断(卵胞の発育、子宮や卵巣の状態)

の6つの検査で、これらを行うことで不妊症の原因を調べます。

子宮内膜症、高プロラクチン血症、卵管狭窄などを不妊症の原因であると指摘された方や特にはっきりとした原因が見つからない方、など人それぞれです。

現代医学と中医学とは基礎論から治療方法まで全く異なった医学ではありますが、現代医学による検査や診断は中医学による治療を考える場合にも参考になるため、残りの1割の方にも病院への受診をお勧めしています。

不妊症の6大基本検査と血液中のホルモン値

1.基礎体温の測定

月経周期23~35日、
月経期間3~7日、
高温期12~14日、
低温期と高温期の温度差0.3~0.5℃、
低温期から高温期への移行が 2日以内

2.精液検査

精液量 2ml以上
精子濃度 2000万/ml以上
精子運動率 前進運動精子50%以上、
高速直進運動精子25%以上
正常形態精子 30%以上
生存率75%以上
白血球 100万/ml未満
イムノビーズテスト 20%未満の結合率
MARテスト 10%未満の結合率

 3.頚管粘液検査(けいかんねんえきけんさ)

排卵近くに分泌されるオリモノ(頚管粘液)の量と質によって精子が子宮へ入っていきやすいかどうかを判断します。
排卵頃に無色透明で牽糸性(水飴のように粘液が糸を引く)のオリモノがおりるのが良い状態です。

4.フーナーテスト

頸管粘液中に含まれる精子の数と運動性を調べる(精子が子宮内に入っていけるかどうかを調べるための検査で結果が良くない場合は、精子の運動性、粘液の質、抗精子抗体などの問題が考えられます。)
運動精子数/400倍視野当たり 15個以上(優)、10~14個(良)、5~9個(可)、4個以下(不良)

5.子宮卵管造影

卵管や子宮の障害を見つけます(卵管の通り具合、子宮腔の異常、腹腔内の癒着)

6.経膣超音波診断(けいちつちょうおんぱしんだん)

子宮や卵巣の状態をチェックします。(子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜ポリープ、多嚢胞性卵巣など)

7.その他 血液中のホルモン値

エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、月経周期のどの時期かにより数値が大きく変わります。

E2(エストロゲン)の正常値

卵胞期(pg/ml)19.0〜226.0
排卵期        49.0〜487.0                                                  黄体期       78.0〜252.0

P4(プロゲステロン)の正常値

卵胞期(ng/mL)0.4以下                                                     排卵期     3.7以下                                                     黄体期     8.5~21.9

卵胞刺激ホルモン(FSH)の正常値

卵胞期(mlU/mL) 3.0〜14.7                                                     排卵期     3.2〜16.6                                                     黄体期     1.5〜8.5                                                     閉経期      25.8~134.8

黄体形成ホルモン(LH)の正常参考値

卵胞期(ng/mL)0.4以下                                                     排卵期     3.7以下                                                     黄体期     8.5~21.9                                                     閉経期     87.4以下

プロラクチン(PRL)の正常値

成人女子 3.4〜24.1  妊娠初期 妊娠中期 妊娠末期
4~54 14~105 32~264

高プロラクチン血症-PRL>15ng/ml、潜在性高プロラクチンはTRHtest15分で70ng/mlを陽性とします。
(TRH-甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)

まとめ

不妊症の検査で異常が見つかった場合は、結果に従って治療を行っていくわけですが、検査以外にご本人の体調、月経の状態なども把握して、必要に応じて体調全体も整えることで妊娠の可能性が高まっていきます。